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人材育成・雇用管理 ワンポイントアドバイス

組織・マネジメント・人材育成に関するアドバイス

1.7年前に建築会社を立ち上げ、現在では営業・技術など13人の従業員がいます。創業当初は順調に事業展開していましたが、ここ3年売り上げが落ち込ん でいます。それとともにクレームが頻発しています。クレームが問題化するまで社長である私には、相談や報告が一切ありません。このような状況を打開するに はどうすればよいでしょうか。

おそらく、この会社は創業から時間が経つにつれ、経営トップと従業員のコミュニケーションが機能しなくなり、ひいては上下、部署間の連係プレーもうまくいかなくなっている状態なのかも知れません。
言い尽くされたことかもしれませんが、報告・連絡・相談の基本に立ち戻り、反省する必要があるのではないでしょうか。
社長にしてみれば、そんなことは皆は分かっているはずだ、という風に思われているかもしれないが、実際機能していないのですから、どこかで「別にやらなくてもいいんだな」という考えが常態化しているものと思われます。
現にクレームが頻発している状況なので、その解決をまず最優先に考えるべきでしょう。

  1. クレームの内容(技術的なことも管理的なことも全て)を徹底的に分析して、その排除につとめ、再発防止に全社を挙げて取り組むことを最優先課題とする。
  2. クレーム処理の仕方いかんによっては、信用を失墜せしめ、場合によっては会社の存亡にかかわることであることを、社長は常々従業員に言い続ける。もう分かったはずだと、安心せず従業員一人びとりに沁みこむよう、言い続ける。
  3. 工事現場ごとに「日報・月報・終了」の報告書を必ず提出させる。特にクレームに係る事柄については、細大漏らさず報告させるようにする。その際、報告書の みならず、口頭でも逐一報告を入れてもらい、当面、当該問題が緊急を要するものか否かの判断は、社長が下す。かかるルールにもかかわらず、報告にないク レームが表面化した場合、会社として厳罰に処することもいとわない旨、申し伝えておく。

以上により、創業当時の緊迫した業務展開を取り戻すことが、肝要だと思われます。
以前、ある社長さんが言っていました。「経営という仕事をしていくうえで、一番困る人は、仕事が遅い人でも、覚えが悪い人でもない。報告をしない人だ。効 率が悪いのなら、一緒になって考え、アドバイスしてやれる。理解が遅いのなら、教え方を工夫できる。だが、報告しない人は、救おうにも救いようがない」。

回答者:社会保険労務士 森谷順二

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2.社員教育は必要でしょうか。また、必要だとしても小さな会社で従業員も少ないので、見通しが立ちません。何かよい方法がありませんか。また、研修費用の負担を軽減する支援制度があれば教えてください。

なぜ社員教育は必要なのでしょうか。企業はその業態、規模、社風等様々でしょうが、人材の育成や能力開発の重要性、必要性は一緒だと言われています。
現在、そこそこの仕事があり、その現状を維持し、同じようなレベルを保っていく分には、費用と時間をかける必要があるだろうか、と思っている経営者はいる でしょうか。いるとしたら現状維持どころか、現在では、業績もレベルも低下するのは必至です。なぜなら同業他社は、常にレベルアップを図り努力し続けてい るからです。そうなると、相対的に業績やレベルが低下してしまうからです。
さらに、現在は環境変化の不確実性・複雑性が益々高まりつつあります。人々が求めるニーズも多種多様になってきています。それにより、企業が必要としている人材要件が変わってきているのです。
これまでは、経営トップが計画を決め、それぞれの仕事を下位に割り振り、割り振られた部下たちは、全員の力を結集し、一人びとりが所定の役割を果たすこと が最終目的でよかったのです。しかしこれからは、全員がその担当領域でそれぞれ対策を考え(当然、一段と高いレベルの協調性が必要となってくる)、各人が 変化を担う人になることが求められてくるでしょう。
また、今般の改正高齢法により、従業員の65歳までの雇用確保が、各企業に義務付けられるようになりました。これまでと違い、従業員が60歳以降も会社に 雇用され、一定の役割を果たしながら就業していくのが一般的になっていくでしょう。60歳で退職していった時代とは異なった就労意識を、個々の従業員に 持ってもらわなければいけないことになります。
これらのことは、会社の規模、従業員数の多少にかかわらず、考えていかなければならないことです。
実際、社員教育を検討していくには以下の点に留意します。

  1. 会社が従業員に期待し求めている能力と、従業員個々人が現在有している能力のギャップを明確にする。具体的には、次のような項目。
    @ 健康維持 A情緒的安定性 Bコミュニケーション能力 C協調性 D対人折衝能力 E専門性 Fリーダーシップ G人材育成 H規則遵守 I新規分野への取り組み JIT適応
  2. 必要な最優先教育テーマがわかったら、それに合致したセミナー実施機関、研修関連団体、講座、コースを調べる。(雇用・能力開発機構、中小企業大学校、商 工会、高齢障害者雇用支援機構等で様々なカリキュラムをそろえたセミナーが準備されており、比較的軽い負担で利用できる。また、従業員に能力開発、職業訓 練等を受講させた事業主への助成として、雇用・能力開発機構のキャリア形成促進助成金があります)
  3. 基礎的なカリキュラムの教育を一通り実施したら、人材育成のコンサルに会社に来てもらい、きめ細かなよりニーズにあった教育を検討するのもひとつの方法。 もちろんそれなりの負担は覚悟しなければならないが、出来合いのものではない、その企業企業にピッタリ合った、即効性のある教育が期待できる。コンサルと の連携で、研修の基本的な要綱、体系、計画、目標、フォローを定め実施していけば、より大きな効果が期待できる。

今後、前述したように企業におけるヒューマンリソースの重要性が増していくことは事実です。もっとも高価な資産である人材を活かすには、積極的長期的視野に立ち、かつ現状を踏まえた社員の教育能力開発が、不可欠になっていくことでしょう。

回答者:社会保険労務士 森谷順二

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3.当社は、ここ数年、若年層を中心に離職率が高くなってきています。離職の理由として、仕事のやりがいが感じられないのではないかと思われます。会社と 従業員個々人の双方が成長していくことが理想と考え、個人のキャリア形成支援と仕事のやりがいを高めたいと考えています。基本的な考え方について教えてく ださい。

最近では、個々人の働く意識が大きく変わってきています。企業がキャリア形成支援とキャリア・コンサルティングを進めていくことにより、従業員と企業双方が成長していくという新しい関係づくりを進めていくことが可能となります。

1.キャリア形成支援とその背景

「キャリア形成」とは、労働者が自らの職業生活設計に即して必要な職業訓練・教育訓練を受ける機会が確保され、必要な実務経験を積み重ね、実践的な職業能 力を形成することです。そして、キャリア形成を支援することを「キャリア形成支援」と呼んでいます。キャリア形成支援が必要となったその背景には、@社会 や経済の環境変化のスピードが加速したことA企業が、その変化に対応するために戦略・戦術の転換が急務なことB環境変化や企業の転換に対し、働く個々人が どう対応すべきか、能力アップと思考の変化が求められていることC成熟社会といわれる中で個人の価値観が多様化していること、などがあげられます。

2.企業主導から個人主導へ

終身雇用・年功序列の見直しなどにより、企業主導の一律的な能力開発から、個人主導の能力開発が求められてきています。企業側は企業が必要とする能力を持 つ人材の確保、従業員としての個人では雇用されうる能力を開発することが重要になっています。言い換えると、企業と個人がともに能力の陳腐化を防ぎ、現在 そして将来的に求められる能力を開発していくことが、企業とそこで働く個人の成長発展につながると言えます。

3.キャリア・コンサルティング

企業という組織の中で、従業員個々人がキャリア形成を図るということは、企業の目標と個人の目標の動がポイントとなります。そこで、企業は、従業員への キャリア形成支援が必要となります。キャリア形成に関して、個人と組織の調整機能として、キャリア・コンサルティングが有効と言えます。キャリア・コンサ ルティングとは、個人と企業の共生の関係づくりのほかに、個人の生きがい・働きがいの視点も含めたキャリア形成を支援、また個人が自らのキャリアを考えら れるよう支援することです。キャリア・コンサルティングは専門家の活用、もしくは、社内で育成することが必要です。

回答者:今野経営事務所 今野芳則(経営士、キャリア・コンサルタント)

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4.改正高齢法の施行で、従業員を60歳以降も雇用することが一般的になってきました。それに伴い、高齢労働者のやる気の低下が懸念されます。労務管理上どのようなことに留意すればよいでしょうか。

いったん60歳を定年とし、それ以降の雇用は、再雇 用の形をとる企業も多くあると思います。再雇用後の身分は、嘱託、契約社員となることも考えられます。そうなると、賃金形態の変化や賞与の有無など、今ま での処遇とは違ったものになるはずです。その際心配されるのが、再雇用後の高齢労働者のモチベーション低下でしょう。

職務上の責任関係緩和等の、見直しがなければ、賃金低下はナットクのいかないものになります。インストラクター的職務を創設し、技能や知識の伝承に従事し てもらったり、専門職に移行したりすることも考えられます。ただ、60歳再雇用後であろうとも、がんばった人が報われるシステムであることが望まれます。

また、事前のアンケート(再雇用についての:就業したい理由・希望の就業形態・仕事内容・受けたいセミナー等)やヒヤリングによる、就業意思の把握を行 い、労働時間の弾力的な運用(フルタイム・短時間就労等)の設定や賃金、年金、継続給付をからめたライフプラン的セミナーの実施なども検討すべきです。

さらに言えるのは、社員教育の必要性です。それも、早い時期からの教育です。前述のとおり、従業員が60歳以降も、一定の役割を果たしながら就業していく ことになるわけで、60歳で退職していった時代とは異なった就労意識を、従業員に持ってもらわなければいけないことになります。これからの雇用に対しての 意識改革、気づきを与え、雇用されうる能力について一人ひとりが、シビアに考えていくようにすることが大切です。

−研修については、高齢・障害者雇用支援機構雇用・能力開発機構で実施していますので、お問い合わせください−

回答者:社会保険労務士 森谷順二

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5.製造業を営んでいる従業員数9名の会社です。従業員個々の仕事の質はよい方であるが、どのように仕事を行ったのかその様子が見えません。現在、仕事に 関する記録は担当者個人に任せており、記録をしているものの、組織としての共通の財産になっていないように感じます。また、社員同士の年齢が近いせいもあ り、仕事以外ではよく話をしているようですが、仕事上の連絡あるいは相談が少ないようです。記録のとり方を整備し、連絡体制を密にするにはどうすればよい でしょうか?

仕事上の記録のとり方が不十分なのは、会社組織としての共通の様式及び業務の約束事が、明確に決められていないために生じたものでしょう。したがって、仕事上必要な決め事を、社員全員が同じレベルで、理解し共通の認識が出来るようなシステムを作ることをお勧めします。なお、記録方法は会社規模が小さいため、これに見合った内容と様式にすることが重要でしょう。

さらに、記録は作業に必要な項目を整理し、一定の様式を作り、作業者全員に朝礼等で説明し、周知させること。また記録の保管も、必要な社員がいつでも見ることが出来るようにファイリングし、一定の場所に保管することと、管理責任者を決めましょう。

仕事上の連絡・指示等を洩れなく行うためには、年齢が近いということと、業務上での上下関係は関係が無いということを十分に認識させる必要があります。つまり、誰が上司かを組織図等を作成し、全社員に提示することも必要でしょう。この図以外に、組織上の責任と権限をも明確にすることも重要で、組織管理規定なるものを作成することをお勧めします。

また毎日の作業に関わる連絡は、朝礼を行っても単なる顔合わせ会ではなく、作業の説明及び指示を確実に行い、理解したどうかを上司が確かめることも重要です。説明が分からない場合は、積極的に質問するように習慣つけることも大切で、これは管理監督者の責任で指導して欲しい。この様なことを繰り返すことによって、業務上でのコミュニケーションが改善されることでしょう。

回答者:浦山経営事務所 代表 浦山隆氏

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6.当社は、大手企業のFC店として、仕入品と自社製造品の2部門を持つ小売業です。特別教育する時間は取れないので、主に朝礼の時間を使って、交代で発 言したり、365日朝礼集を担当者が読みあげることにしているが、マンネリ化してきました。効果的な朝礼の進め方をアドバイスして下さい。

朝礼の課題は、スタートのケジメづくりに加えて、「@時間制約」と「A参加しなかった人への内容伝達の徹底」・「Bマンネリ防止」、にあります。

@時間の制約については、仕事の形態によって異なるが、全社あるいは部門全体の場合は10分以内が望ましい。全員に伝えたいことなどがテーマになり、個別に伝えることは朝礼以外の時間でよい。朝礼の開始時間を就業前5〜10分前にする会社も多い。最初は従業員から苦情がでる場合もあるが、ほとんどは理解してもらえるよう努力し、継続されている。

A出張や欠勤により朝礼にでられない人への伝達は、その人の上司若しくはルールで伝達者を決めておくと良い。さらに、朝礼ノート(片面コピーロスをした用紙をまとめたものでよい)を作って記入当番が朝礼内容を書き、見た人がサインや印鑑を押すようにすれば確実に伝達でき、聞いていない、見ていないは本人の責任になる。

B朝礼のマンネリ化防止策としては、交代で誰かが話すにしても、そのテーマが問題になる。何でもいいとするのもいいが、話す人はテーマを決めることが大変で、一巡するとストレスがたまることになる。テーマを決めるのが楽で、しかもスピーチの内容が役立つようにすることを考えると、例えば、「何曜日は店頭をきれいにすることで気づいたことを話してください」などとテーマをあらかじめ出しておくとよい。
又、「月曜日は、社長訓話」、「火曜日は朝礼集の読み語り・・」、「水曜日はあらかじめ決められたテーマについての意見発表」のように、曜日毎に変えたりすると変化があって良い。

C朝礼は教育の場としても重要な位置を占めている。他社のやり方なども研究し、職場活性化に結び付けたい。

回答者:(有)経営効率研究所 代表取締役 新谷博司氏

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7.ES(従業員満足)向上の一環として、従業員個々人へのキャリア支援に取り組みたいと考えています。キャリア形成の必要性とキャリア・コンサルティングについて教えてください。

「キャリア形成」とは、労働者が自らの職業生活設計に即して必要な職業訓練・教育訓練を受ける機会が確保され、必要な実務経験を積み重ね、実践的な職業能力を形成することです。そして、キャリア形成を支援することを「キャリア形成支援」と呼んでいます。キャリア形成支援が必要となったその背景には、

@社会や経済の環境変化のスピードが加速したこと

A企業が、その変化に対応するために戦略・戦術の転換が急務なこと

B環境変化や企業の転換に対し、働く個々人がどう対応すべきか、能力アップと思考の変化が求められていること

C成熟社会といわれる中で個人の価値観が多様化していること、などがあげられます。

終身雇用・年功序列の見直しなどにより、企業主導の一律的な能力開発から、個人主導の能力開発が求められてきています。企業側は企業が必要とする能力を持つ人材の確保、従業員としての個人では雇用されうる能力を開発することが重要になっています。言い換えると、企業と個人がともに能力の陳腐化を防ぎ、現在そして将来的に求められる能力を開発していくことが、企業とそこで働く個人の成長発展につながると言えます。

企業という組織の中で、従業員個々人がキャリア形成を図るということは、
企業の目標と個人の目標の連動がポイントとなります。そこで、企業は、従業員へのキャリア形成支援が必要となります。キャリア形成に関して、個人と組織の調整機能として、キャリア・コンサルティングが有効と言えます。キャリア・コンサルティングとは、個人と企業の共生の関係づくりのほかに、個人の生きがい・働きがいの視点も含めたキャリア形成を支援、また個人が自らのキャリアを考えられるよう支援することです。

回答者:今野経営事務所 今野芳則(経営士、キャリア・コンサルタント)

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