デジタルカメラや携帯電話などの家電製品をはじめ、自動車や各種ロボットなどの工業製品、さらには医療機器や交通システムなどには、ハードウェアとソフトウェアの密接な連携に基づく技術が活用されています。これは「組込み技術」と呼ばれ、これからの日本のものづくり産業を支える重要な技術です。
本大学校では、エレクトロニクス分野と情報通信分野の技術を複合化し、電子情報技術科を新設しました。電子情報技術科では、「組込みシステム」をつくるための技術を学びます。そして、ものづくりにかかわるハードウェア技術と、付加価値を高める組込みソフトウェア技術の両方をバランス良く身に付けた実践技術者の育成を目指します。
授業内容
電子情報技術科の個々の授業は、一見関連性が少ないように感じるかもしれませんが、授業の体系を古代ギリシャ神殿の建築に例えることができます。1年次から2年次前半までは、数学・電気理論、エレクトロニクス、プログラミング、通信の主要な分野の大きな柱をしっかりと勉強します。2年次後半からは、柱にかける大きな屋根に相当する「組込み機器製作実習」や「卒業研究」等において、各分野を組み合わせて総合的に電子情報技術を学びます。
授業内容の一例として、「電気回路」、「アナログ回路基礎実習」、「組込みソフトウェア基礎実習」、「情報通信工学実習」を紹介します。
電気回路
直流回路と交流回路の電気理論を学びます。電気理論は電気製品等に応用されています。利用者としての立場ならスイッチをオンにすれば電気製品は動作しますが、製品を開発する人が電気理論を理解していないと、電気製品の設計はもちろん、発生したトラブルを解決できず、困ることになります。電気理論は数式を使いますので、難しく思う人がいるかもしれません。しかし、技術者に求められる基本的な能力なのでしっかりと学びましょう。

アナログ回路基礎実習
テスタやオシロスコープなどの基本的な計測機器の測定方法の習得を通して、抵抗、コンデンサ、トランジスタなどの基本的な電子部品を利用した電子回路の試作と測定実験を行います。測定結果はレポートという形で教官に提出します。本実習では、実験データのまとめ方やレポートの作成方法についても指導します。
組込みソフトウェア基礎実習
組込みシステムはハードウェアとソフトウェアの密接な連携により動作します。とりわけソフトウェアの比重は急速に増大し、例えば、電子メール端末、デジタルカメラ、ワンセグ受信機になったりする携帯電話に搭載されているソフトウェアは500万ステップにのぼります。組込みシステムのソフトウェア開発は、従来のソフトウェア開発技術に加え、種々の入出力機器を制御する技術が要求されます。本実習では、産業界の組込みプログラム開発で広く使用されているC言語をプログラミング実習を通して実践的に学びます。

情報通信工学実習
現在、携帯電話、ゲーム機などに代表される情報家電はネットワークに接続され相互に情報交換をすることにより多くの便利な機能を提供しています。また、自動車においてもエンジン、ブレーキ、エアバックなどがコンピュータとネットワークで接続され制御されています。本実習では、これらの製品の製造開発に必要となる、データ通信の概要、インターネットに代表されるネットワークの仕組みを学びます。
主な履修科目
一般教養
キャリア形成論、法学、職業社会論、基礎数学、数学Ⅰ、数学Ⅱ、物理、基礎英語Ⅰ、基礎英語Ⅱ、体育
専門学科目
電気数学、電磁気学、電気回路、電子工学、電子回路、情報システム概論、情報通信工学、データ構造・アルゴリズム、組込みシステム工学、環境エネルギー概論、生産工学、安全衛生工学、アナログ回路技術、高周波回路技術、ディジタル回路技術、マイクロコンピュータ工学、組込みオペレーティングシステム、計測制御技術、センサ工学、組込みソフトウェア応用技術、ファームウェア技術、インターフェース技術、ネットワーク技術、移動体通信技術
専門実習科目
電気電子工学実験、アナログ回路基礎実習、ディジタル回路基礎実習、情報基礎実習、情報通信工学実習、データ構造・アルゴリズム実習、組込みソフトウェア基礎実習、機械工作実習、アナログ回路実習、ディジタル回路実習、マイクロコンピュータ工学実習Ⅰ、マイクロコンピュータ工学実習Ⅱ、計測技術応用実習、電子機器組立て実習、電子回路設計製作実習、インターフェース製作実習、組込みソフトウェア応用実習Ⅰ、組込みソフトウェア応用実習Ⅱ、ファームウェア実習、ネットワーク技術応用実習Ⅰ、ネットワーク技術応用実習Ⅱ、組込み機器製作実習Ⅰ、組込み機器製作実習Ⅱ、総合制作実習、企業体験実習






