地球の温暖化が急激に進行しつつあり、近未来の前兆現象とも思われる災害が世界中で発生しています。その主要な原因のひとつは、化石燃料を使って大量生産・大量消費・大量廃棄を行ってきたことといわれ、これからの「ものづくり」にはサステナブル(持続可能)な視点が不可欠となっています。
建築物は、大量の資源とエネルギーを使って生産し、長年にわたって使われることから、環境影響が極めて大きい製品です。そのため、建築の専門分野である計画・構造・材料・施工・環境などに関する知識・技術・技能を習得し、さらに各分野の先端技術を組み合わせて建築物のライフサイクルに携わる実践技術者が求められております。
建築科では、基礎学科及び専門学科を実験・実習と密接に関連づけたカリキュラムと少人数制を採用し、将来を担う実践技術者を育成しています。また、建築士試験の受験資格を取得する最短コースともなっており、「VEリーダー」を始めとする各種専門資格を在学中に取得するための支援を行っていることなども特徴の一つです。
授業内容
建築科では、住居、ビル、公共建築物などさまざまな建築物の企画、設計から構造・施工に至るまでの広範な知識や技術を基礎から体系的に学びます。そのため、建築計画・設計に関する分野、構造力学・設計に関する分野、建築材料・施工に関する分野を3つの柱とし、その基礎的理解と総合化への工夫を図っています。
また、高度で幅広い知識を習得するとともに、多くの実験・実習や集中授業、総合制作実習等をとおして、実践的な技術力の習得を目指した教育訓練を行っています。
コンピュータ基礎実習
「基礎製図」で、建築内容を理解した上で手書きにより作成した図面を、CADを用いて再度、図面作成し、CAD図面作成能力を養います。建築物は、木造住宅および鉄筋コンクリート造事務所ビルです。CADソフトは、JW_CADとAuto cadを使用します。また、最後にはCGソフト(アドビ・イラストレーターなど)を用いてプレゼンテーション資料の作成方法を習得します。

建築設計実習 I
建築をつくるためには、先ず、イメージする建物を形にしてゆかなければなりません。そのために、建築設計実習 I では、コンセプトづくりから始まり、それをイメージへと変換させ、そのイメージを模型や図面に作り上げるための手法を学びます。また、空間化するための過程で空間把握能力やスケール感、設計発表会をとおしてプレゼンテーション能力も養います。
構造設計 I
木質構造は多くの住宅に使われている構造形式です。この構造形式に対し、それまでに養った構造力学などの知識をもとに演習を入れながら木構造の特性を理解し、実際の木造住宅の構造設計手法を学びます。

建築施工実習 I
この実習では、まず大工用工具の調整、使用法から始まり、木造軸組を構成する部材の継手・仕口の墨付け・加工・組立等の技能を習得します。次に、実物大模擬家屋の制作をとおし、構成部材相互のおさまりや接合技術を習得し、グループ作業で必要な能力を養成します。
建築施工実習 II
鉄筋コンクリート造の生産方法、手順、材料、現場作業の内容、管理のポイントなどを習得します。また、設計図を読み取り、施工図の作成、施工計画の立案、材料の加工、現場での組立てに至る生産のプロセスを体験することで、鉄筋コンクリート造建物の躯体施工に必要となる知識・技術を理解します。

建築測量実習
様々な測量(距離測量・水準測量・面積測量・トランシット測量)の理論的な面を講義で、実技を含めた実践的な面を実習によって行い、敷地測量・建築施工に必要と思われる測量技術の習得をします。
主な履修科目
一般教養
実践技術者として社会に出て必要となる教養を向上させるとともに、工学を学ぶ上で必要となる基礎学力を習得します。特に、近年、学生の入学時の基礎学力の差が大きいことから、数学や英語については、能力別クラス編成を行い、基礎学力の向上に取り組んでいます。また、就職意識の向上やキャリア形成に対する考え方を身につけるための、職業能力開発に関する学科も必修となっています。
キャリア形成論、法学、職業社会論、生産環境学、数学Ⅰ、数学Ⅱ、物理学、基礎英語Ⅰ、英語Ⅰ、基礎英語Ⅱ、英語Ⅱ、体育
専門学科目
建築計画、建築構造、建築施工、建築設備等、建築を学ぶ上で必要となる専門的な知識と技術を広く学びます。単位数としては、地震大国日本において建築を学ぶ上では必修と言える建築構造学に関する学科が多く、また、「ものづくり」の観点から、建物を造り上げるというイメージを育む建築施工関連の学科目にも力が注がれています。
建築史、建築数学、コンピュータ基礎、環境工学、構造力学Ⅰ、建築計画Ⅰ、建築構法、建築材料Ⅰ、建築設備、仕様及び積算、建築生産工学、安全衛生工学、建築法規、調査分析手法、建築計画Ⅱ、建築計画演習、建築法規演習、構造設計Ⅰ、構造設計Ⅱ、構造設計Ⅲ、建築構造演習、建築材料Ⅱ、建築施工、施工管理、建築施工演習、建築測量、構造力学Ⅱ、構造力学Ⅲ、建築特論
専門実習科目
当校の授業カリキュラムの特徴として、専門の実験および実習が、総単位数の約半分を占めています。実際に建物を造り上げる過程を、実習を通して経験することにより、座学で学んだ知識や技術に関する理解を数段に高めることができます。特に、建築施工実習Ⅰ,Ⅱでは、木造およびRC造の建物を対象として、手や身体を動かし、建物を造り上げるという目標に向かってチームで作業を進めていきます。目標の建物の完成をチームで喜び、格別の思いを感じることでしょう。
基礎工学実験、基礎製図、造形実習、コンピュータ基礎実習、建築材料実験、建築設計実習Ⅰ、建築設計実習Ⅱ、建築設計実習Ⅲ、建築施工実習Ⅰ、建築施工実習Ⅱ、施工図実習Ⅰ、施工図実習Ⅱ、工法演習、建築測量実習、環境工学実験、調査研究実習Ⅰ、調査研究実習Ⅱ、建築総合演習、総合制作実習、企業体験実習
卒業制作(専門課程)
既存建築物の環境性能評価と改修提案
![]() 要素技術の組み合わせによる 環境改修提案の概要 |
年 度 | 20年度 |
| 概 要 | 近年、地球の温暖化が重要な問題として認識されている。建築に関する対策として、既存建築物の環境性能を評価し、より効果的な改修方法を選択・実施することによってCO2の排出量等を削減する方法がある。そこで、学内の「青雲寮」(昭和63年築)を対象に、環境改修提案を「CASBEE」(建築物総合環境性能評価システム)を用いて試みた。さらに、最も効果的な改修技術の組み合わせを検討し、改修提案を作成した。 | |
| 学 生 | 若杉 静夏 | |
| 指導教員 | 西澤 秀喜 |
立体偏心を有する軸組壁構法に関する研究 その1 実験概要及び供試験体
![]() 本研究は工学院大学宮澤研究室と 共同で実施した |
年 度 | 20年度 |
| 概 要 | 既存の木質構造住宅の中には、居住性の関係上耐力壁をアンバランスに配置した、いわゆる偏心したものが多数ある。この偏心した構造物には、地震時に平面的なねじれが生じる。現行の耐震設計法では、地震時の構造物の偏心による正確なねじれ挙動及び応力評価がなされていないのが現状である。 本研究では、挙動や応力性状等を把握することが目的として立体偏心を有する実大2層構造物の静加力実験を行った。 |
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| 学 生 | 畑中 拓也、古城 大樹 | |
| 指導教員 | 大西 健司 |
2層在来軸組架構における応力伝達メカニズムに関する実験的研究
![]() |
年 度 | 19年度 |
| 概 要 | 在来軸組構法において鉛直力及び水平力を作用させた場合に柱及び筋かいに生じる応力の伝達メカニズムを明らかにするために、縮尺1/3の2層立体架構モデルを作成し、実験をおこなった。 その結果、鉛直力および水平力が作用する場合の2層立体架構について、柱軸力の分布の特徴を明らかにした。 |
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| 学 生 | 青木 優希、今田 辰哉 | |
| 指導教員 | 藤野 栄一 |
白鳩幼稚園の設計-ヒラメクトキ
![]() |
年 度 | 19年度 |
| 概 要 | 人、環境、生活する建物。子供たちは、毎日いろいろなものに触れて考えて成長していく。この設計では教室や廊下、テラスの間にカーテンを設け中間的な領域としたり、各部屋に角度をつけてランダムに配置することで行動の拡大を図り、子供自身が見つけ、触れて、考えることのできる幼稚園を目指した。 | |
| 学 生 | 加藤 直子 | |
| 指導教員 | 府川 直人 |
主な就職先
(株)早野組、(株)佐藤秀、池田建設(株)、アサカ住販タクトホーム(株)、(株)アーネストワン、大幸住宅(株)、(株)藤田建装、アイディホーム(株)、(株)藤木工務店、(株)ハセベ、(有)藤森工務店、(株)コンパース、竹村設計事務所、(株)クル、(株)イチケン、(株)中野積算、牧野電設工業(株)、大成温調(株)、大日本コンサルタント(株)、(株)日本衛生センター、佐藤技建(株)、ARTIST PROJECT、(株)船戸建装、(株)かな和工業、YKKアーキテクチュラルプロダクツ(株)、エステート白馬(株)、(株)野寺基礎、(株)東横エルメス
資格取得
| 資格名 | 受験資格要件 |
| 一級建築士および 二級建築士 |
専門課程の建築・住居環境科の卒業者は、卒業した年に二級建築士を受験できます。 また、応用課程に進学した場合は、応用課程在学中に二級建築士を受験できます。 一級建築士は、実務経験4年以上で受験できます。 また、応用課程に進学した場合は、在学期間が実務経験とみなされ、卒業後実務経験2年以上で一級建築士を受験できます。 |
| インテリアプランナー | 満20歳以上であれば誰でも受験できます。この試験に合格していること、さらに専門課程・インテリア科の卒業生は卒業後2年以上の実務経験年数を経ていること、この両方の条件を満たせば、登録申請をすることで、インテリアプランナーの称号が付与されます。 |
| 一級建築士および 二級建築施工管理技士 |
専門課程・建築科の卒業者は、実務経験2年以上で二級建築施工管理技士を受験できます。 また、一級建築施工管理技師技士は、実務経験5年以上で受験できます。 また、応用課程に進学した場合は、在学期間が実務経験とみなされ、卒業後実務経験2年以上で一級建築施工管理技士を受験できます。 |
※建築施工システム技術科に進学した場合、応用課程1年次(大学3年生相当)に二級建築士を取得できるチャンスがあります(受験資格は上記参照)。
卒業生の声
当校で“ものづくり”の実践力を身につけて巣立った卒業生からの声です。










